文化庁メディア芸術祭

エンターテインメント部門
新人賞

ほったまるびより

映画(37分11秒)
吉開 菜央
[日本]
ほったまるびより
©NaoYoshigai
 
「おどりとはなにか」をテーマに、言語表現を極限まで削り「女の子のからだ」とその「動きから生まれる音」で表現された映像作品。小さな木造平屋一軒家のなかには、人間であるさと子(歌手)のほかに、4人の踊り子が住みついている。心地の良い日々を過ごす踊り子たちだったが、ある日、家のなかにもうひとり少女がいたことを発見する。タイトルにある「ほったまる」とは「ほうっておくとたまるもの」の略語であり、髪の毛や爪、足の裏の皮など身体から出る落としもの、あるいは日々の生活で蓄積されるさまざまなにおいを指す造語。ダンサーでもある作者が、腹の底から湧き上がってくる得体のしれない感情・感覚をからだでつづった「おどる映画」である。
贈賞理由
清々しいエロティシズムとフェティシズム。生々しい皮膚感覚によって貫かれた透明な詩性。緩慢なワンカットすら拒む徹底した美意識。過激さと穏やかさ、衝突と均衡がもたらすその快楽は、ダンサーでもある監督の吉開菜央とパフォーマンスも行なうミュージシャンの柴田聡子の「個」の交わりによる成果か。「メディアとしての身体」という現代的なテーマを扱いながらも、超言語コードでつづられる映像からは、時間や空間を超越してさまざまな物語や思考が喚起させられる。2015年版ガーリー・ポップの「象徴」として記憶にとどめておきたい作品である。
(工藤 健志)
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