文化庁メディア芸術祭

マンガ部門
新人賞

たましい いっぱい

おくやま ゆか
[日本]
たましい いっぱい
©OKUYAMA Yuka 2015
テーマはファンタジーからありふれた日常のドラマまで多彩ながら、一貫したユニークなスタイルで展開される短編作品集。空想とユーモアが横溢するナンセンスな連作「しりこだまラプソディ」、貧しく幼い兄弟が愛馬をマーケットへ売りにいく切なくも温かいオリジナル童話「オスカーは毛並みのいい馬」、古典落語の名作怪談噺を独自の視点でマンガ化した「三年目」など、それぞれの物語には、優しさと哀しみに溢れた世界へのまなざしが通底している。大学卒業後にさまざまな職種を経験した作者が、デビュー以来5年間に発表してきた短編作品をまとめた本作品は、揺るぎない清新さと個性を併せ持ち、不思議な世界へと読者をいざなう。

『月刊コミックビーム』(KADOKAWA)
掲載時期:2010年12月号〜2015年6月号
贈賞理由
戦前から活躍し現代まで大きな影響を与えているマンガ家、かの杉浦茂と同じ目で、いろんな不思議な世界を覗いて廻って描いたような短編集。特に「しりこだまラプソディ」はUFOやツチノコの目撃談に添えられた絵のような、嘘じゃないけど本当じゃないキテレツなおもしろさ。生まれるのも死ぬのも「たましい」にとっては一緒なんだとふわふわ気持ちが軽く楽しくなる。「今日のお弁当は」で不妊治療してもこっちの世界に生まれて来なかった赤ん坊も、あっちの世界で猫や河童や宇宙人とケラケラ笑い転げて愉快に暮らしている気がするのだ。イタズラを仕掛けるつもりで作品を増やしていって欲しい。
(松田 洋子)
本サイトでは、お使いのブラウザからの閲覧を推奨しておりません。
このまま閲覧されますと、正しく表示されない場合がございます。
ブラウザを最新版にアップデートしてご覧ください。
アップデートする
そのまま閲覧する