文化庁メディア芸術祭
第22回

アニメーション部門

優秀賞

ペンギン・ハイウェイ

劇場アニメーション

石田 祐康 [日本]

© 2018 Tomihiko Morimi, KADOKAWA / Penguin Highway Production Committee
作品概要

森見登美彦の同名小説の映画化作品。身の回りの出来事を研究することが日課の小学四年生のアオヤマ君は、歯科医院のお姉さんに強い興味を持っている。ある日、アオヤマ君の住む街に大量のペンギンが現れ、さらにアオヤマ君はお姉さんの投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。一方でクラスメイトのハマモトさんは森の奥にある草原で謎の球体“海”を発見、アオヤマ君はその研究も開始した。お姉さんの体調の悪化、ペンギンを捕食する存在など、次々と起こる出来事を、アオヤマ君の研究は繋ぎ合わせていく。監督の石田祐康は、第14回文化庁メディア芸術祭でアニメーション部門優秀賞を受賞した『フミコの告白』(2009)をはじめ、学生時代より自主制作のアニメーション作品を発表してきた。2013年、劇場デビュー作品となる『陽なたのアオシグレ』では監督・脚本・作画を務めた。本作で劇場長編作品監督デビューを飾る。

贈賞理由

今回の応募作品は女性が元気な作品が多く見られ、この『ペンギン・ハイウェイ』もそのひとつでした。まず物語のモチーフとして、おっぱいとともに存在感を示す「お姉さん」。主人公のアオヤマくんを女の子にしたような「ハマモトさん」も思春期手前の男の子を彩る重要なキャラとして立っていました。キャラデザインや性格付けに多少ステレオタイプな感もあったが、登場人物たちが織りなすやり取りは小気味良く、このSFジュブナイルをイイ感じにキラキラさせてくれています。小難しい理論武装もすっ飛ばしているので、すんなりと映画のなかに入り込むことができる。メインテーマに関わる部分は無理に押し付けず観客に委ね、ペンギン達を生き生きと描くことに特化していた点を個人的に評価しました。爽快感を持って映画館を出ることができる作品だと思います。ただ、アオヤマ君が自分のクラスにいたらケンカしてたかもしれないなあ。(宇田 鋼之介)

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