文化庁メディア芸術祭
第22回

アニメーション部門

新人賞

The Little Ship

短編アニメーション

Anastasia MAKHLINA [ロシア]

作品概要

少女とその友達である象をめぐるアニメーション作品。遊んでいるおもちゃの象が視界から消えると、代わりに本物の象が現れる。何も邪魔するものがないなかで心置きなく遊ぶ少女と象。しかし少女はある日、海に漂う小舟に心を奪われて、海の向こうに興味を引かれ、しばしその方向を見つめる。その後、象の元に駆け寄ったものの、小舟が砂浜に近づいてくると、少女は寂しそうな象に別れを告げ、小舟に乗って旅立っていった。子ども時代は時に私たちが気づかないうちに終わり、どんなに楽しい時間であっても別れの瞬間が訪れる。大人になることはすべての人にとって避けられないことを人形とカットアウト(切り絵)のキャラクターで描いている。

贈賞理由

子どもの空想という題材は、アニメーションで表現しやすいせいもあるが、とてもよく表現されていた。新人離れした完成度で、人形のデザインはかわいらしく動きのつけ方も子どもらしいものになっていた。切り紙で登場してきた象も少女のイマジナリーフレンドらしい落ち着いた動きで、平面と立体の切り返しも楽しかった。起き上がり小法師人形のちょっとした動きや、青いボール、内側だけの部屋、柱だけの建造物など隅々まで考えられた画面も美しかった。タイトルの小さな船も少女の憧れや未来をきれいに象徴できていた。愛らしい佳作である。(木船 徳光)

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