文化庁メディア芸術祭
第22回

エンターテインメント部門

大賞

チコちゃんに叱られる!

テレビ番組

『チコちゃんに叱られる!』制作チーム [日本]

©︎ NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved.

作品概要

何でも知っている5歳の女の子という設定のキャラクター「チコちゃん」が、素朴な疑問を明らかにしていく番組。「お別れするとき、手を振るのはなぜ?」「乾杯のときのグラスをカチン、なぜするの?」といった日常のなかで生まれる疑問を、スタジオでお笑い芸人の岡村隆史やゲストに投げかけながら、専門家のインタビュー映像によって回答していく。チコちゃんの着ぐるみは複数台のカメラで撮影されたうえで、放映時に頭部を3DCGのモデルに置き換える処理が行われている。置き換えられる頭部パーツは着ぐるみの頭部を精緻に3Dスキャンしたものであり、本当に着ぐるみの顔のパーツが動いているかのような表現を、目や口の形を自在に変えることで実現している。3DCGによる頭部パーツは、頭を突然大きくしたり、変顔をするなどのマンガ的な演出も可能にしており、チコちゃんというキャラクターが強い実在感をもって、スタジオでゲストと掛け合う様子が人気を博した。番組ゲストが質問に答えられなかった際に、チコちゃんが頭を大きくしながら叱る恒例のセリフ「ボーっと生きてんじゃねーよ!」は2018年の新語・流行語大賞の候補に選出。世代を問わず広い支持を集めている。

贈賞理由

何でも知っている5歳の女の子という設定のキャラクター「チコちゃん」が、素朴な疑問を明らかにしていく番組。「お別れするとき、手を振るのはなぜ?」好奇心旺盛で何でも知っている5歳の女の子、東京・白金在住なのに時々関西弁になるチコちゃんが、何気ない疑問を投げかけるNHKのバラエティ番組。クイズ形式だが正解を競うのではなく、諸説あるなかから最初はポカーンだが説明を聞けばフーンと納得できる話題を提供する。テレビという媒体でも、こんなつくり方で新しいエンターテインメントを表現できるという、荒唐無稽だが日本人の感性にマッチした挑戦的作品である。その中核となるのが、2.5頭身の着ぐるみ頭部を3DCGで置き換えたキャラクターで、昭和なおかっぱ頭とレトロ感のあるセットは、CG合成であることを意識させない。しかし決め台詞の「ボーっと生きてんじゃねーよ!」で見せる異形への変化が、日本でしか生まれないだろう強いアクセントになっている。2017年の初回放送から各部のバージョンアップが見て取れるが、チコちゃんをかわいく見せたいというスタッフの親心にほかならない。(遠藤 雅伸)


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