文化庁メディア芸術祭
第20回

エンターテインメント部門

新人賞

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ObOrO

キネティックインスタレーション

Ryo Kishi [日本]

© ryo kishi
作品概要

本作は、不安定で偶発的な揺らぎを生み出す照明装置である。宙に浮く光の球は、糸やワイヤーといった支えを一切持たず、送風機からの空気によってのみ制御される。光の球は不完全なコントロールのなかで空間を漂い、つねに生き物のように回転して振動し、危うさや脆さといった魅力を生み出す。浮遊させる装置は、LED照明、送風機、ステッピングモーター(回転を綿密に制御できるモーター)で構成されている。LEDは浮上している球を照らし、それぞれの球が浮かぶ高さは送風機で、気流の角度はステッピングモーターで制御される。

http://ryokishi.org/works/oboro/oboro.html
贈賞理由

宙を浮遊する球体群が、見えない回廊の中で揺らぐ。球体は、気流のチューブから逃れようとすると気圧分布の壁の中でセンターに引き戻される。コアンダ効果の応用という、用いられている浮遊の原理そのものはありふれた古典的なものだが、軽量な球体、群れの動きの制御など、現代の技術の紡ぎ合わせがこの表現を可能にしている。質量をもつ実体ならではの不思議さであり、決まった演出のプレイバックにとどまらないその場の不確定さ=不安定さは、スリリングでもある。マッチョなしくみを使うことなく効果を引き出しているところが技ありだ。(東泉 一郎)


プロフィール
Ryo Kishi
日本
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