文化庁メディア芸術祭
第21回

エンターテインメント部門

優秀賞

Pechat

ガジェット

『Pechat』開発チーム(代表::小野 直紀) [日本]

作品概要

ぬいぐるみに取りつけるボタン型スピーカー。専用アプリを操作することで、子育てを支援するさまざまな機能を持たせることができる。ボタンは糸で縫い付けたり紐で引っ掛けたりして任意のぬいぐるみに取り付け、吹き込んだセリフをかわいい声に変換して発声するほか、自動で会話したり、歌ったり、物語を読み聞かせることができる。子どもにとって特別な存在であるぬいぐるみを、子育ての新しいインターフェースに変える製品である。泣き声検知機能、泣きやみ・おやすみ音楽機能などのあかちゃんモードや英語アプリもあり、アプリを拡張することで使い方が広がる。製品発表後、国内だけで10以上のテレビ番組、100以上のメディアで取り上げられるなど、高い注目を集めて発売当日には品切れになる店舗が続出した。発売以降もユーザー数は増え続けており、日本中に子育ての新しい風景を広げている。

贈賞理由

『Pechat』はプロトタイピングから発信しはじめ、クラウドファンディングでも人気が出た日本のスタートアップシーンから出てきた象徴的なプロダクトだという強い印象がある。IoTの創世記は比較的家電などの電化製品が多かったが、『Pechat』は教育・知育系にしっかりと設計された経験デザインを取り入れているところが非常に素晴らしく、誰しもが子どもの時に抱いたぬいぐるみのような“モノ”が喋るという夢を本作は実現してくれた。プロダクト・インターフェイス・経験デザインのすべてにおいて隅々まで行き届いたデザインがなされており、これからの親と子どもの新しいコミュニケーションの形を提示してくれた時代を象徴する作品である。今後このようにIoTやICT(情報通信技術)の分野がBtoB(企業向け)だけではなく、エンターテインメントの強さである広く世代を超えた分野にも波及していくべきで、『Pechat』につづく質の高いプロダクトをスタートアップだけではなく大きな企業も企画、実現してほしい。(齋藤 精一)


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