文化庁メディア芸術祭
第22回

エンターテインメント部門

新人賞

Pixel Ripped 1989

ゲーム

Ana RIBEIRO / Carlo CAPUTO / Julia LEMOS / Leonardo BATELLI / William RODRIGUEZ [ブラジル]

©︎ ARVORE Immersive Experiences
作品概要

VRゲームの中で8ビットゲームをプレイするアドベンチャー作品。プレイヤーはテレビゲームが大好きなNicolaになり、彼女のお気に入りの携帯ゲーム「Pixel Ripped」をプレイしていく。場面は1989年の教室で始まり、Nicolaは先生に見つからないようにVR内でも気を配りながら「Pixel Ripped」をクリアしなければならない。携帯ゲーム内のヒロインDotとその友達を助けるため、ゲーム機の画面を抜け出して「現実世界(VR)」に侵食し、さまざまな時代のゲームのあいだにポータルを開いて支配しようと目論むCyblin Lordと戦う。ノスタルジックな8ビットの2次元世界ともカラフルな3次元世界が入り混じる、独特な世界観が楽しめる。

贈賞理由

ゲーム史には、新鋭メディアの表現のなかに、あえて旧世代の表現を「レトロ」視しつつ包摂することで、ゲームそのもののあり方を自己批評的に問い直すメタなタイトルが、折々の時宜に登場する。奇しくも平成起点の1989年に介入する本作は、いよいよVR時代におけるそんな記念碑性をキャッチーに具現化したインディー作品だ。日本ゲームの往年の名作をオマージュしたゲーム内ゲームと、プレイヤー視点の「現実」事象とを巧みに混淆させるデザインセンスは秀逸。開発者自らコスプレで「第四の壁」(虚実を分かつ境界)を越える強烈なプレゼンテーションも図抜けていた。(中川 大地)

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