文化庁メディア芸術祭
第20回

マンガ部門

優秀賞

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総務部総務課山口六平太

高井 研一郎/原作: 林 律雄 [日本]

© HAYASHI Norio, TAKAI Kenichiro / SHOGAKUKAN
作品概要

「サラリーマンの応援歌」と呼ばれ、長年愛されてきた作品。主人公・山口六平太(やまぐちろっぺいた)は、うだつの上がらないように見えるサラリーマンだが、じつはどんな問題も独自の解決法で切り抜ける「スーパー総務マン」である。職場である自動車メーカー・大日(だいにち)自動車株式会社の総務部総務課は「なんでも屋」として、他部署からさまざまな依頼が舞い込む。持ち込まれるトラブル解決を軸とする1話読み切り型のヒューマンドラマで、時にはサラリーマン社会のさまざまな問題もテーマとして扱う。悪口と嫌味ばかりだが憎めない有馬(ありま)係長、人はいいが優柔不断な今西(いまにし)課長、なぜか六平太と馬の合う田川(たがわ)社長、六平太の婚約者であり社長秘書の吉沢小夜子(よしざわさよこ)、同じ総務課の同僚など、六平太を取り巻くキャラクターも魅力的に描かれ、幅広い読者の共感を得た。2016年11月、作画担当の高井研一郎の急逝により30年に渡る連載に幕を下ろした。

贈賞理由

架空の自動車会社を舞台に「超凡人・ある意味スーパーマン」の山口六平太がさまざまなトラブルを解決する。そのキャラクター造形は均一な太さの線で柔らかみを帯びており、親しみやすさを醸し出している。六平太だけでなく、嫌味ばかり言っている上司の有馬係長でさえもその描線のもとでは愛らしく見えてくるほど。一度も休載することなく、いつしか連載30年、単行本81巻一千万部超え。「サラリーマンの応援歌」と謳われ、不動の人気を誇っていた本作は2016年11月、作画者、79歳の高井研一郎の死去により唐突に終了した。ぴったり60年間、現役第一線を走り続けた「マンガ人生」は見事というほかはない。原作の林律雄についても、本作におけるその功績は大きい。時代の社会情勢を反映させながら、六平太以外の人間模様も描かれ、まさしくヒューマンドラマの名にふさわしい作品に仕立て上げられている。この作品が長きにわたって描き続けられていたことで、多くの社会人の励ましや癒しとなっていたに違いない。(みなもと 太郎)


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