文化庁メディア芸術祭
第20回

功労賞

梯 郁太郎

電子楽器開発者

プロフィール

1930年、大阪府生まれ。独学で腕時計の構造を学び、47年、16歳でかけはし時計店を起業。その後、54年、カケハシ無線(電器店)を開業。60年、28歳の時に趣味であった電子楽器の製作に本格的に取り組むため、電子楽器製造のエース電子工業株式会社を設立。72年、自ら設立したエース電子工業を退社し、同年にローランド株式会社を設立。83年、電子音楽の世界共通規格MIDIの制定に貢献。長年にわたり電子楽器の発展、普及に努めた多大な功績により、91年、バークリー音楽大学から、名誉博士号を授与、2000年にはハリウッドにあるロック・ウォークに手形を残し殿堂入りした。13年には、楽器・映像機器メーカーATV株式会社を新たに設立。同年、個人としては初の受賞となるテクニカル・グラミー・アワードを受賞した。15年、ATVとして最初の製品エレクトロニックドラム「aD5」を発表。また、16年には、エレクトロオーガニック・パーカッション「aFrame」を発表し、常に革新的な楽器を世に送り出している。

贈賞理由

私たちは、何をつくるにしても、道具の機能に則り、またその限界に支配されている。音楽においても、太古の打楽器の時代より人々は楽器からインスピレーションを受け、表現を生み出してきた。電子楽器の世界において、梯郁太郎はその初期より製作を続け、その時代の最新の道具と手段を提供してきた。それはまた、音を創りたい人々への機会の創出でもあった。さらに、電子楽器間の世界共通インターフェイス規格、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)の制定に主導的立場で貢献した。現在のオープンな音楽制作の環境はその基盤の延長上にあるとも言え、その功績はきわめて大きい。(東泉一郎)

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